古来中国大陸から遣唐使等を通して、様々な道具類が伝わりました中に、木の好きな日本人の目に一際美しく、又、珍しく映ったものに唐木と呼ばれた、玉虫の厨子や楽器等、数々の細工物がありました。美しい香りのする白檀の扇子や飾り棚、三味線の柄等は今でも愛用されています。
唐木仏壇は単に細工物としてでなく、み仏の最高の境地と対面し、同時に御先祖と対話のある生活を楽しむ場としての細かな心遣いがなされて作られています。いつも清々しくお給仕できる様、掃除のしやすいのも唐木仏壇の特徴です。
年々少なくなっている天然資源の中の銘木中の銘木、唐木は一部は突き板や剥き板の様に0.3~0.5㎜にされ保存さ れますが、7~12㎜に引かれた主として柾目板は製材されてから2~5年位自然乾燥され、その芯材となります同じ様な性質を持った木材(セピター、ニヤトウ)に特殊接着剤でネリ合わせて使われます。突板や剥き板は通称貼りと呼び、引き板は通称ネリと呼びます刃物は超硬度な鋼で特別に作られます。釘打ちができない為、ダボ構造やホゾ組み、あり組み等様々な木匠技術が駆使されています。
ていねいに研磨された唐木の肌は、塗装されなくとも充分に鑑賞に耐えられるものですが、昨今の冷暖房等に影響され易いため、そのほとんどは塗装により被膜されています。
超高級品はすり漆等を施し、生地色塗り等に仕上げますが、一般的には
最近は、科学の鉄と呼ばれているエポキシ塗料も使われております。
一つ一つの穴に糸のこを通して、今でも昔ながらの方法で引抜かれております。その絵に様々な彫刻刀を駆使して精魂こめて彫刻されていますが、その絵のデザインや彫刻技術により上品、並品の差がつくことは、手作りである以上避けられないことです。
本来お仏壇は、ご本尊をおまつりするものであり、新築改築時には、仏間を設計し、お仏壇を安置する事が大切です。
我国の最近の土地の高騰により、増々一戸建住宅を持つ事が大変困難になってきました時期に、持家の対象としてマンションがクローズアップされてきました。
マンションに適応した小型仏壇も色々の種類をそろえておりますので、マンションを設計される場合でもお仏壇を安置できるスペースの確保を是非お願いします。又、プレハブ住宅や、建売住宅にあっても仏間を間取りの中に組み込まれる事をお願いします。
お住まいの間取りによって最適の場所は異なります。
風通しがよく、湿気が少なく、かつ直射日光が当たらない場所で次のような条件を考慮される必要があります。
人の出入りでざわついたりしない場所である事。
日常の生活空間とかけ離れた場所では、日々の礼拝、お給仕がおっくうになります。
この方向が良いとか悪いとか、色々な事を言う人がありますが、用は祀る心が大切です。お仏間の方向について、いわれがあると思われる説をご参考までに掲げます。
南面北座説御本尊を南向きに安置し、北向きに礼拝する。北半球では南が明るい方向で、「君子南面ス」という言葉があるように南に向かって座るのが上座とされています。したがって、お仏間を南向きに設けます。 |
西方浄土説仏間を東向けに設け、西向きに合唱、御本尊を礼拝すると同時に西方浄土を拝む形をとります。 |
本山説御本尊に向かって合掌するとともに、御本山を礼拝するように仏間を設けます。本山との位置関係で方向が変わります。 |